年功序列・終身雇用・新卒一括採用に代表される「メンバーシップ型雇用」が当たり前と言われてきた日本企業の間でも、“働き方改革”推進に伴って徐々に注目を集めてきた「ジョブ型雇用」が、コロナショックで待ったなしの状況になりつつある日本の産業界の中で、一気に導入が加速化しつつあります。
しかし「ジョブ型雇用」に切り換えていく際には“ジョブディスクリプション(職務記述書)”という仕事内容を明記した職務範囲を定義しなければならないことから、なかなか中小企業では、そこまで注力出来ずにいま現在でも大手企業から導入が徐々に広がりつつあります。
昨日(2020.08.11)の新聞でも、中堅外資系生命保険会社が管理職のポストごとに給与水準を設け、社員向けウェブサイトで基準を公開し、希望するポストに対する自己申告制を採用し、社内からチャレンジャーを登用していく流れを2021年からスタートさせてゆくという記事が載っていました。
制度として非常に魅力的な人事制度だと思うのですが、ひとつだけ気になったことがありました・・・
それは、ジョブ型雇用の詳細内容とポストへの登用に関する自己申告制度に関する詳細な説明があったにも関わらず、ジョブ型雇用導入の要諦となる人事評価に関する説明が一切なされていなかったことでした・・・
非常に手厳しい言い方になってしまうのですが、これまでの“メンバーシップ型雇用”という雇用形態では「横並び人事」という暗黙の了解がまかり通っていたことから「人事評価機能の形骸化」が進み、(有能な)社員の間からは人事評価に対する不信感が高まっていました。
そんな「人事評価に対する不信感」が働く社員の間に広まっている中で、人事評価制度の抜本的な改定(人事評価の見直し)をせずに「ジョブ型雇用」を導入しようとすると、折角のジョブ型雇用への働き方改革自体が頓挫してしまうのではないかと、老婆心ながら考えてしいまいました。
2021年4月からは、大企業ばかりでなくすべての中小企業にも適用される“同一労働同一賃金”に対応してゆくためには、「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」へ向かわざるを得ない状況になっていくことは明らかです。
これから「ジョブ型雇用」を目指していこうとされる中小企業経営者の皆さまには、制度を適正に運用してゆくためにゼッタイ条件となる人事評価制度の見直しもセットでご検討されることを強くお薦めいたします。
最後になりますが、あしたのチームの人事評価制度“ゼッタイ!評価”は、一般的に必要と言われている「職務記述書」という七面倒くさい基準書づくりをすることなしに「ジョブ型雇用」を簡潔に実現できる大きな魅力を持っています。
現在の労働行政・経済状況を踏まえた上で、人事評価制度というものを活用して自社の経営をより良いものにしていきたいとお悩みの中小企業の皆さまに対して、適切なアドバイザーとして機能することを目指している本サイトに対してお気軽に何なりとご質問をお寄せください。