新型コロナウィルス感染防止という理由から、人との接触を80%以上引き下げなければならないということで、急にすべての企業に対して、可能な限り「在宅勤務」を前提に働くようにという政府からのお達しが出たことによって、急に『テレワーク』というキーワードが脚光を浴び始めました。
昨日(4/26)の日本経済新聞にも“NIKKEI STAY HOME PROJECT”と云う全面広告が掲載され、今後長期化が予想される経済活動自粛体制下で、いかに収益確保を実現できるか競合他社との間で生き残り競争が始まったと感じています・・・
今回この人事評価に関するブログで、なぜテレワークに関する情報発信をしようと思ったかというと、先日(4/24)のNHK “ニュースウォッチ9” で、テレワークに関する導入事例として“あしたのチーム”社が提供している人事評価サービスが、「オフィスで机を並べながら部下の働きぶりを評価する」のではなく、上司と部下のコミュニケーションレベルを落とすことなく、適正な人事評価を実現させることによってテレワークの導入メリット(労働生産性の向上)を実現しているケースとして紹介されたことから、テレワーク導入についてどのように推進すべきかを考える場を持ちたく投稿に至りました。
『テレワークに切り換えることのできる仕事』を考える
今回のサブタイトルでもある「出来ない理由を並べるのではなく、どうやったら出来るかを考える」ために
①まず、全社員がどんな仕事を行っているのか『業務内容調査表』で業務の洗い出しを行う
下図にあるようなフォーマットを用意し、毎日の仕事、毎週の仕事、毎月の仕事と期間単位で考え付く業務を書き出し、各業務に要する所要時間数も併せて記入する。
この際に、各人が自分の仕事をどのように捉えているのかも改めて明確に理解できるので、自分の仕事に対する役割責任を明確に意識できるという副次効果も十分に期待できるというメリットもあります。
このフォーマットは、職務記述書(ジョブディスクリプション)作成の際に使う調査シートですが、近年の目まぐるしく変化する経営環境に対応不能ということから利用されることはあまりありませんが、今回は「必要業務の洗い出し」というプロセスで便宜的に例示しております。
②業務内容を緊急度・重要度で分類する
①で洗い出した業務の一つ一つを下記のフォーマットの4象限に分類をします。
日常業務
●日々発生する重要度・緊急性ともに高い業務・事柄
●納期が迫っている、予約が入っている業務・事柄
課題業務
●緊急性は高くないが重要な業務・事柄
●時間経過とともに結果が著しく向上するもの
●短期的な成果は期待できないが、中・長期的には期待できるもの
●本質的・体質的な改善業務
価値の低い業務
●明らかに重要度が低く、緊急性もさほど高くない業務・事柄
無意味な行動
●緊急性、重要度も共に低く、あまり目的的でない業務・事柄
[一般社員の事例]
[経営者の事例]
③分類した業務の再構築をする
②で洗い出した業務の一つ一つを下記の4象限の基準から業務の再構築を図る。
各象限は、緊急度と重要度という2つの視点から見た時の分類となり、下記の各象限の業務に対して、削減すべき業務/注力すべき業務/実施方法を見直すべき業務という視点から、業務全体の再構築を検討します。
いかがでしたでしょうか?
日頃行っている業務内容を精査してみると、実は「本来業務」としてやらなければならない仕事(重要度の高い仕事)に投入している時間数が少なく、「付帯業務」としてやらなくてもいい仕事にかなりの時間が費やされているということが見えてきたのではないでしょうか?
既にテレワークを実施している若年世代の人が「生産性が向上した」と実感しているのに反して、中高年の管理職の方々が「生産性が落ちた」と感じている報告も為されますが、実は本来自分でやるべき雑用業務を部下に丸投げしていたというような間違ったマネジメントの濫用が原因だったかも?と疑いながら、業務の最適分配を検討することも必要なのかも知れません。
そして、今回のワークから見えてきたテレワーク可能として分類された「課題業務」に対して、どうやって進めていけば良いのかという点に関して、多くの方が疑問を持たれたと思いますが、この課題業務の進め方に関しては、次回新たなコミュニケーションツールを使って進める具体的方法をお伝えしていきたいと思います。
これまで漠然と「できない」と思っていたことも、細かく洗い出して個別に丁寧に検討してゆくことによって意外とカンタンにできるという感触をつかんでいただけたのではないかと思います。
経済活動がスローダウンして社外との折衝業務とかが極端に減り、社内業務の見直しの時間が確保できる今だからこそできる新たな働き方改革の流れが社内で進むことを祈念しております。